アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶
Henri Cartier-Bresson-Biographie d'un regard

2006年5月20日より 渋谷ライズXにてロードショー

カルティエ=ブレッソンの“遺言”ともいうべき “奇跡”のドキュメンタリー。
2004年8月アンリ・カルティエ=ブレッソンが95歳の生涯を終えた。
ロバート・キャパらとともに、写真家集団“マグナム”を設立し、ライカを片手に、スペイン内戦前夜やパリ解放、ガンジーの死など歴史的瞬間を撮った写真家である。
写真集『決定的瞬間』(英語版タイトル)で、世界中の写真家に影響を与え、ヨーロッパ、アメリカ、インド、中国、日本など世界中を旅し、その瞬間を捉え続けた。
自身についてほとんど語ることのなかったカルティエが、人生の最期に初めて、その半生と作品について語る。当時93歳の本人と、親交のあった写真家エリオット・アーウィットや劇作家アーサー・ミラー、女優イザベル・ユベールなどのインタビューで構成されている。

撮影の大半は、チュイルリー公園を望むカルティエ=ブレッソンの自宅で行われた。メキシコ、捕虜収容所の脱走、戦時下のパリ、助監督もつとめた映画監督ジャン・ルノワールと の出会い、 “マグナム”の思い出、マリリン・モンロー、ココ・シャネル、トルーマン・カポーティ、サルトルとボーヴォワールらを撮影したエピソードが展開していく……。

 

 

キャスト
アンリ・カルティエ=ブレッソン
エリオット・アーウィット
アーサー・ミラー
イザベル・ユペール
ロベール・デルピール
ジョセフ・クーデルカ
フェルディナンド・シアナ
 

アーサー・ミラー

アメリカの劇作家。1915年ニューヨーク生まれ。1949年の「セールスマンの死」でトニー賞、ピュリッツァー賞を受賞し、テネシー・ウィリアムスと並ぶアメリカ現代演劇の旗手となる。1956年、女優マリリン・モンローと結婚。1961年離婚。50年代、アメリカに吹き荒れた赤(共産主義)狩りを告発した「るつぼ(クルーシブル)」(53)を発表後、議会に喚問され、投獄までされたが最後まで信念を貫き、この時にミラーを支えたのがモンローだった。代表作は他に「橋からの眺め」「転落の後に」など。戯曲の他に、映画の脚本や小説も手がけ、モンロー主演の映画『荒馬と女』(61)はミラーの原作・脚本。2人の離婚は、『荒馬と女』公開直前だった。昨2005年2月10日、惜しくも死去。




イザベル・ユペール

女優。1971年映画デビュー。瞬く間にフランスを代表する女優となった。代表作に『パッション』(82/ジャン=リュック・ゴダール監督)、『主婦マリーがしたこと』(88/クロード・シャブロル監督)、『ピアニスト』(01/ミヒャエル・ハネケ監督)、『8人の女たち』(02/フランソワ・オゾン監督)など。これまでにカンヌ映画祭最優秀女優賞を2度獲得している。2005年のベネチア映画祭では、パトリス・シェロー監督の『Gabrielle』で、映画芸術に対する際立った貢献により特別賞を受賞。
   
       

アンリ・カルティエ=ブレッソン プロフィール

1908 8月22日、フランス、セーヌ=エ=マルヌ県シャントルー生まれ。
1932 24歳の時、ライカを手にする。
1940-43 3年間ドイツ軍の捕虜となるが、脱走に成功。
1947 ロバート・キャパらとともに“マグナム”を設立。
1948-50 3年間、アジアに滞在し、インドでガンジーの死、インドネシアの独立を取材。
1952 『決定的瞬間』(米国版タイトル)をテリアード社より出版。
1965 数カ月間、日本に滞在。
2003 パリにて大回顧展を開催し、集大成の写真集も出版。アンリ・カルティエ=ブレッソン財団設立。
2004 8月3日、フランス南部で死去。享年95歳。
(参考文献:岩波書店「アンリ・カルティエ=ブレッソン 写真集成」)

 
 


ひとこと
20世紀を写真で表現したアーティストのドキュメンタリーである。これまで写真集を見ただけではわからなかったことが、カルティエ氏本人の言葉によって明かされる。それは、20世紀の見えない側面を明かされたようにも感じた。マリリン・モンローの素顔をとらえたとアーサーミラーが語り、イザベル・ユベールの語りがカルティエをとらえる。また、本人が語るガンジーの死の直前数分前まであっていたという事実は衝撃的だ。「決定的瞬間」の写真家として紹介されていたことも、実は写真集のプロモーション時に作られたフレーズであったことがわかる。「逃げ去るイメージ」、これが写真集タイトルのオリジナルであった。こちらの方がはるかにシンプルだ。これから写真を始める人にはぜひお勧めしたい。(JS)



スタッフ
監督:ハインツ・バトラー
撮影監督:マティアス・カリン
サウンド:アンリ・マイコフ
編集:アーニャ・ボンベリ
音楽:バッハ、モーツァルト、モーリス・ラヴェル、マーク・コープランド、マル・ウォルドロン
サウンドデザイン:ユルグ・フオン・アルメン
製作総指揮:ウォルフガング・フライ、アニエス・シール
         
       


オフィシャルサイト
http://www.longride.jp/hcb

2003年/スイス+フランス/72分/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/デジタル
原題:Henri Cartier-Bresson-Biographie d'un regard/
配給:ロングライド