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"breath"

ロンドンのファッションクリエイターたちが認めたアーティスト、
山田秀寿が描く東京の風景

2006年3月24日(金)〜4月17日(月) / Gallery ef

1999年よりロンドン・イーストエンドを拠点に創作活動を展開している山田秀寿が、浅草のギャラリー・エフで個展を開催した。
ロンドン・ファッション界からの注目度の高い山田氏は、コシノミチコ、ラファエル・ロペス、フロストフレンチ、ヤヌークなどのデザイナーやブランドからオファーを受け、イラストレーションを提供している。今回は日本への帰国後、初めて開催する新作展。
 東京での身近なモチーフを透明フィルムにコラージュしていきながら、約30点の大型作品を制作し、ドローイング・コラージュによる空間展示を構成している。

 「ロンドンで描いてきたポートレートは、いわば心の中で作り込んだイメージの世界。今回は、外界との接触を試み、よりシンプルに風景を描き出す『スケッチ』という手法にこだわった。ある意味では、東京の今をとらえたドキュメンタリーと言えるかもしない」と、山田氏は言う。
 
           
 
 確かに、併設のロンドンでのファッション性の高い作品を見てから今回の作品を見ると、どこか違う印象を受ける。これは写真でいうストリートスナップなのだと受けとめる。それも、より対象に迫った。
 
           
 
 これらのドローイングが、透明なフィルム越しに日本の伝統的な建築空間であるこのギャラリーに展開されると、どこかの路地に迷い込んだかのような気分だ。夢中になって観ていると自分も路地をどんどんなにかの痕跡を探しながら歩き進んでしまう。
 だが、それらの対象は透けているからなのか、つかみとることはできない。頬にふれるような、東京に漂う空気をかんじさせてくれる、ドローイングラインの小宇宙である。
 
           
 
 
           
     
           
       
           
       
山田秀寿の作品を中国の伝統工芸の技術によって切り紙にした作品 
           
       
ロサンゼルスのブランド「ヤヌーク」との コラボレーションTシャツ
           
       
山田秀寿とネオアジアンブランド『ROUROU』のコラボレーションTシャツ 
           
     
ロンドンで制作された作品。ラファエル・ロペスの2004年秋冬コレクション・ファッションショーの招待状に使われた作品などが見られる。
2003年には、ロンドンのカルチャー雑誌 "Dazed & Confused" の創刊100号記念号で、注目すべきアーティストとして紹介。同雑誌の共同創設者であるランキン氏の目に留まり、同氏が監督を務めた短編映画 "Perfect" に協力。劇中、アーティストの役柄であるヒロインが描くイラストレーションを提供した。

お問い合わせ:ギャラリー・エフ
http://www.gallery-ef.com