home
home

 

クララ・シューマン 愛の協奏曲
Geliebte Clara

2009年7月25日(土)、Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー


■ストーリー
 ハンブルクのコンサートホールで、ピアノを演奏するクララ・シューマンを見守るふたりの男がいた。1人は夫、ロベルト・シューマン。もう1人は、当時はまだ無名の作曲家、ヨハネス・ブラームス。

 演奏を終え、拍手を浴びるクララに紹介されて壇上に引っ張り出されたロベルトは、「人気取りは嫌だ」と憮然と舞台から降りる。シューマン夫妻は、背後から見知らぬ男に呼び止められた。それがヨハネスだった。作曲家だという20歳の彼との運命の出逢いを感じたクララは、ロベルトの制止を振り切るように、アメリカへの移民がたむろする波止場の薄暗い居酒屋に足を運ぶ。
  そこでピアノを演奏するヨハネスの才能を瞬時にして見抜いたクララは、彼の演奏に聴き惚れた。
 翌日、デュッセルドルフに到着したシューマン一家を待っていたのは、ロベルトの地元交響楽団の音楽監督就任と、大邸宅だった。新しいピアノを前に、「作曲を再開したい」と顔を輝かせるクララにロベルトは、「私の妻では不満か?」と問いただすのだった。


 

 


■キャスト
クララ・シューマン:マルティナ・ゲデック
ロベルト・シューマン:パスカル・グレゴリー
ヨハネス・ブラームス:マリック・ジディ
ヴァジレフスキー:ペーター・タカツィ
タウシュ:ベラ・フェストバウム
ベルタ:ブリギッテ・アネシー
ヘンリエッテ:クリスティーネ・エスターライン
リヒャルツ:ヴァルター・タイル
 




       

 

 その頃から、ロベルトの持病である頭痛が悪化の一途を辿り始める。指揮はおろか、交響曲「ライン」の作曲さえままならない夫の一大事を救わんと、クララは指揮者として楽団員の前に立つ。「女性の指揮など前代未聞」「世の笑い者だ」との嘲笑にも耳を貸さずタクトを振り続けるクララは、コンサートマスター、タウシュの意に反して、たちまちオーケストラから見事な演奏を引き出した。

 そんなある日、シューマン邸を思いがけない来客が訪れた。ヨハネス・ブラームスだ。逆立ちを披露し、たちまち夫妻の子供たちの人気者になるヨハネス。こうして、シューマン一家とヨハネスとの奇妙な同居生活は始まった。
  常日頃からクララへの敬愛を隠すことのない陽気なヨハネスは、日常生活の苦労の絶えない彼女の心を明るく輝かせると同時に、楽団に馴染めないロベルトの最大の芸術上の理解者となる。ロベルトが完成させた「ライン」第2楽章は、見事な出来栄えだった。クララは夫を称賛する。「私たちが幸せだった頃を思い出すわ」。しかし、クララの願いを裏切るように、割れるような頭痛に襲われ深酒に溺れるロベルトは、やがて鎮痛剤のアヘンチンキが手放せない状態にまで陥ってしまう。

  ヨハネスが妻に寄せる愛情を察知し、クララに嫉妬をぶちまけながらも、同時に「唯一の理解者を私から奪うな」と相反する感情に苦悩するロベルト。そして、妊娠を告げるクララに「私の子か?」と暴言を吐き、酔いに任せて彼女を殴り倒してしまう。そんな修羅場に直面しながらも、ロベルトとクララの絆はかろうじて持ちこたえ、ふたりの共同指揮による交響曲「ライン」の初演は大成功を収めるのだった・・・・


※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

ヘルマ・サンダース=ブラームス監督 インタビュー

ブラームス家の末裔とのことですが、ヨハネス・ブラームス本人は監督の何にあたるのでしょうか?
ヨハネスの叔父の子孫にあたります。ヨハネス自身は子供がいませんでしたし、彼の兄弟にも男の子がいなかったのです。

ヨハネスに関して伝え聞いた事実などはありますか?
個性が強く、孤立した生活を送っていると思われていたようです。他人に心を開き、親切なのですが、閉じこもって一人になりたいとも感じていたと聞いています。それは子孫に伝わった行動でもあるようで、私自身もそういった家族の行動に慣れています。また映画の中に登場するしぐさで言うと、逆立ちなどのアクロバティックなことがとても得意だったとも聞いています。ヨハネスの行動についてはロベルト・シューマンの子供たちも書き残しています。

女性監督として数々の女性を描き、その心情を繊細に表現してこられましたが、この作品ではクララをどのように描きたかったのでしょう?
“偉大な名声を得た音楽家として”でないことは確かです。彼女は他の音楽家と比べてもより生き生きとした人間的なアーティストでしたが、同時に少女のような部分も持ち合わせていました。クララはヨハネスより14歳年長でした。当時女性が男性よりも14歳年上というのはとても大きく、出会った時、ヨハネスが20歳で、彼女は34歳でした。今ではまだ若いといえる年齢ですが、当時としては年老いたと言ってもいい年齢です。ですから私は彼女の美しさを見せたかった。映画の最後の方でヨハネスの曲を演奏するクララは、映画の冒頭よりも美しいのです。なぜなら数々の葛藤や闘い、そして夫の死を経験して、新たな境地に達し、新しいスタイルを築き上げたから。マルティナはそうした一人の女性がたどってきた人生の様々なステージを表現することができる素晴らしい女優でした。


 

 









■脚本、監督:ヘルマ・サンダース=ブラームス
1940年、ドイツ、エムデン生まれ。ヨハネス・ブラームスの叔父から連なるブラームス家の末裔に当たる。ハノーファーにあるニーダーザクセン音楽演劇大学で2年間学ぶ。1962年から1965年まではケルン大学にて演劇学、英語英文、独語独文を学ぶ。1965年から1973年までWDR局(西ドイツ放送局)でラジオやテレビのアナウンサーとして働き、様々な写真家と出会う。その後ローマでセルジオ・コルブッチ監督や ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の下で聴講生となり、1967年に終了する。1968年からWDR局のローカル番組で初めて自分の担当を持つ。その中で唯一現存するのは1969年に行った、ウルリーケ・マインホフへのプライベート・インタビューである。映画作品では『ドイツ・青ざめた母』(80)が各国の映画祭で観客賞を受賞。『エミリーの未来』(84)、『林檎の木』(92)など。


■スタッフ
脚本・監督:ヘルマ・サンダース=ブラームス
撮影:ユルゲン・ユルゲス(BVK)
プロダクションデザイン:ウーヴェ・スツィラスコ
アートディレクター:イシュトヴァーン・ガランボス
衣装:リッカルダ・メルテン=アイヒャー
音声:ヤーノシュ・チャーキ(H.A.E.S.)
編集:イザベル・デヴィンク
プロデューサー:アルフレート・ヒュルマー

音楽:ロベルト・シューマン、クララ・シューマン、ヨハネス・ブラームス
演奏:ダヌビア交響楽団
指揮:イシュトヴァーン・デネシュ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://clara-movie.com/pc/

原題:Geliebte Clara
ドイツ・フランス・ハンガリー合作/2008年/ビスタサイズ/109分
字幕翻訳:吉川美奈子
配給:アルバトロス・フィルム