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オレンジと太陽
Orange and Sunshine

2012年4月14日(土)より岩波ホール他、全国順次ロードショー


■ストーリー
 1986年、イギリス、ノッティンガム。ソーシャルワーカーのマーガレット・ハンフリーズは、養子に出された人たちをサポートするトライアングル会を主催していた。会の終わったある夜、一人の女性から声をかけられる。女性の名はシャーロット。「自分が誰なのかを知りたい」と訴る。彼女はノッティンガムの児童養護施設にいた4歳の時に、数百人の子どもたちと一緒に船に乗せられ、オーストラリアに送られたという。
  その話を信じられなかったマーガレットだが、トライアングル会に参加していたニッキーからも興味深い話を聞く。数年前届いた“多分、僕はあなたの弟です”と伝える手紙。彼女の弟ジャックも、シャーロットと同じようにオーストラリアへ連れて行かれ、姉の居所をようやく探し出して手紙を送ってきたのだ。それをきっかけにマーガレットは調査を始めた。

 


■キャスト
エミリー・ワトソン
デイヴィッド・ウェナム
ヒューゴ・ウィーヴィング
リチャード・ディレイン
ロレイン・アシュボーン
 







       

 

 マーガレットはシャーロットの出生を調べるうちに、死んだと聞かされていたシャーロットの母がまだ生きている事実を発見する。マーガレットはシャーロットの生みの母が働くパブを訪ねる。シャーロットの母は、娘はイギリスの養父母にもらわれたと信じていて、オーストラリアに送られたことなどまったく知らなかった。

 ジャックに会いにオーストラリアへ向かったマーガレットは、そこにジャックやシャーロットと同じ境遇の人たちが大勢いることを知る。彼らはオーストラリアに到着すると、過酷な環境で働かされたり、虐待されたり、苦しい人生を歩んでいて、自分が誰なのか、母親がまだ生きているのかを知りたがった。マーガレットは、イギリスとオーストラリアを往復し、彼らの家族を捜し出す活動を始める。

 オーストラリア。マーガレットのもとには、沢山の人が相談に訪れ、長蛇の列ができた。最初の相談者に付き添って来た男性レンは、「あんたに何ができる」とマーガレットに突っかかるが、実は彼も児童移民で心の底では母親を見つけたがっていた。

 やがて、マーガレットの活動はマスコミの注目を集めはじめ、イギリスが子供たちを植民地に送った「児童移民」が、政府の政策によって行われていた事も明らかになる。そして彼女の調査は、しだいに政府レベルの大きな組織をも揺らし始めていった……。


※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

ジム・ローチ監督インタビュー

──この映画の始まりについて教えてください

2002年に初めてマーガレットに会いました。僕は彼女の本を読んでいましたし、イギリスの新聞に1つ、2つ、小さな記事は出ていましたが、まだ多くはありませんでした。 彼女はノッティンガムのカフェの上に小さなオフィスを持っていて、そこに会いに行き、座ってお喋りをしました。 正直に言うと、最初彼女はほんの少し僕の相手をしようと考えていただけだと思いますが、僕らはあっという間に意気投合してしまったんです。
その後数年の間、彼女と連絡をとりつづけ、しだいに彼女をより深く知るようになりました。 そして彼女が自身の経験について詳しく話してくれるようになった頃、僕は彼女自身の旅をドラマとして描こうと考え始めたんです。 カミーラ(ブレイ、プロデューサー)と僕は、2005年にロナ(マンロ、脚本家)と会い、その数ヵ月後に、ロナと僕はマーガレットと会うためにオーストラリアのパースに行きました。

ロナと僕は数週間をマーガレットと過ごし、児童移民の経験者である二人の特別な人物とも会いました。
僕たちは、これが語られるべき偉大な物語だと感じていたんですが、この最初のオーストラリアへの旅で、この題材から自分たちなりのやり方をどうやって見つけられるか、いかに物語を組み立てるか、いかに物語を語るかを理解し始めました。

ロナは、実在の元児童移民の人たちと多くの時間を費やして、彼らの物語をたくさん聞き、多くの題材を集めることができました。 しかし、その段階ではまだ脚本はなくて、ただアイディアと走り書きがあっただけでした。

(プレス資料より転載)

 

 









■監督:ジム・ローチ
1969年生まれ。大学で哲学を学んだ後、当初はジャーナリストの道を志した。グラナダテレビジョンのドキュメンタリー番組「World in Action」の仕事を経て、TVドラマの演出を手がけるようになる。主な演出作品に、「コロネーション・ストリート」「ホテル・バビロン」「シェイムレス」「ホテル・ブルー」など。『オレンジと太陽』で長編劇映画デビュー。


■スタッフ
監督:ジム・ローチ
原作:マーガレット・ハンフリーズ
脚本:ロナ・マンロ
撮影:デンソン・ベイカー
美術:メリンダ・ダリング
衣装:カッピ・アイルランド
編集:ダニー・クーパー
音楽:リサ・ジェラルド
製作:エミール・シャーマン、イアン・カニング、カミーラ・ブレイ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://oranges-movie.com/

(C)Sixteen Midlands (Oranges) Limited/See-Saw (Oranges) Pty Ltd/Screen Australia/Screen NSW/South Australian Film Corporation 2010

原題:Orange and Sunshine
2010年/イギリス・オーストラリア合作映画/1:2.35/106分
日本語字幕:齋藤敦子
配給:ムヴィオラ