ニューヨーク、恋人たちの2日間
2Days in New York

2013年7月27日（土）より、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷他全国順次公開


■ストーリー
　パリで生まれ育ったマリオンは、現在ニューヨークのアパートで暮らす女性フォトグラファー。以前のボーイフレンドとの間に生まれた息子のルルを育てながら、大事な個展のオープニングを控えている。今回の展覧会では、写真に加え、マリオン自身の『魂』を1万ドルで売るというコンセプチャルなアート・プロジェクトが目玉である。ルルの養育費のためにも、個展はなんとしても成功させたい。
　 アパートで一緒に暮らしているのはミンガスと、彼の一人娘ウィロー。バツ2のミンガスは、ニューヨークで3つのラジオ番組を抱えている人気DJ。マリオンとミンガスは出身も人種も違うけど、お互いの夢や仕事を理解しあっているという意味では理想的なカップル。ところが、順調な生活に思わぬ危機が訪れる。マリオンの父親ジャノと妹のローズとその恋人のマニュの3人が、彼女の個展を観るためにニューヨークにやってくることになったのだ。

 

　一行は、ニューヨーク見学を楽しんだ後、アパートでディナーを楽しむことに。ところが、案の定、セックスや人種問題の話題にズバズバ本音をぶつけてくる破天荒トークのせいで、食事の席はカオス状態に。おまけに、マニュがアパートへ売人を呼びつけて、子供の前でマリファナを購入するというありえない事態まで起きてしまう・・・

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■プロダクション・ノートより

監督インタビュー

想像しているとおり、デルピーのユーモアは古典的ロマンティック・コメディの影響を強く受けている。「ああいうユーモアが好きなの。バカバカしい笑いが一番好き」と笑う。その代表例とも言えるシーンがある。
夕食の席で、ミンガスはジャノとコミュニケーションを取ろうとするがジャノは英語が一切わからない。通訳するマニュも英語がよくわからず、ミンガスが言ったことを間違った内容でジャノに伝える。「君はラジオに出ているのか？」というジャノの問いに対して「はい、2つは公共のラジオで1つはデジタルラジオです」という答えを、マニュは「風邪を引いていて、しかもかなりやばい病状だ」と伝える。その向こうでは、マリオンの息子に対するローズの誤診について姉妹が言い合いをしている。

「私はこういうムチャクチャになる感じが好きなの。一方ではまったく話の通じていない会話が行われていて、一方では子供が自閉症だとか自分の元カレと付き合うことについて言い合いをしている。そういうシーンを見ていると、すごく笑えてくるわ」とデルピーは話す。

■監督・脚本・音楽・主演：ジェリー・デルピー
1969年生まれ。両親は舞台俳優。14歳から巨匠たちと仕事を始める。ジャン＝リュック・ゴダール監督『ゴダールの探偵』（85）、レオス・カラックス監督『汚れた血』（86）、クシシュトフ・キエシロフスキー監督『トリコロール/白の愛』（94）、ロジャー・エイヴァリー監督『キリング・ゾーイ』（93）など。
ゴダールと働いたことでインスピレーションを受け、92〜93年にかけてニューヨーク大学の映画・脚本科で学び首席で卒業。
この他の出演作に、『パッション・ベアトリス』（87）、『ボイジャー』（91）、『僕を愛した2つの国/ヨーロッパ　ヨーロッパ』（90）、『ビフォア・サンセット』（04）、『ブロークン・フラワーズ』（05）、『The Hoax』（06）、『The Air I Breathe』（07）、『The Countess』（08）、『Tパリ、恋人たちの2日間』（08）、『血の伯爵夫人』（09）、『スカイラブ』（11）などがある。シンガーソングライターでもある。


■スタッフ
監督：ジュリー・デルピー
脚本：ジュリー・デルピー、アレクシア・ランドー
原案：ジュリー・デルピー、アレクシア・ランドー 、アレックス・ナオン
撮影：ルボーミール・バックチェフ
美術：ジュディ・リー
衣装：レベッカ・ホファー
編集：イザベル・ドゥヴァンクほか
音楽：ジュリー・デルピー
編曲：ジャン＝ミシェル・ザネッティ
製作総指揮：ヘルゲ・サッセ、マティアス・トリーブル