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フィラデルフィア美術館展:印象派と20世紀の美術

Masterpieces from the Philadelphia Museum of Art:Impressionism and Modern Art


2007年7月14日(土)- 9月24日(月・休)
京都市美術館(岡崎公園内)

2007年10月10日(水)- 12月24日(月・休)
東京都美術館

1776年7月4日、アメリカ合衆国独立宣言が採択された地、フィラデルフィア。その100年後に開かれた万国博覧会の美術展会場となったメモリアルアルホールがフィラデルフィア美術館の発祥です。この所蔵作品から、近代西洋美術史の代表的作家、コロー、クールベ、モネ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌ、ピカソ、カンディンスキー、マティス、デュシャン、シャガール、ミロ、マグリットらの絵画・彫刻作品62点、そして、オキーフ、ワイエスらアメリカ人画家の絵画作品15点が紹介されます。

 

 
ピエール=オーギュスト・ルノワール
ルグラン嬢の肖像
1875年 油彩/カンヴァス
81.3 x 59.7 cm
Philadelphia Museum of Art, The Henry P. McIlhenny Collection in memory of Frances P. McIlhenny, 1986
 
 


 1.写実主義と近代市民生活−1855-1890年
   Realism and Modern Life

     
         
 
・ジャン=バティスト=カミーユ・コロー テルニの山羊飼い 1871年頃
・ギュスターヴ・クールぺ スペインの女 1855年 ほか

近代絵画の誕生期である19世紀フランスは、産業革命を経て都市化が進み急激に生活が変化します。この中であえてフォンテーヌブローの森、バルビゾン村に集まり、素朴な田園生活を捉えたコローらはバルビゾン派と呼ばれるようになります。 同時に、パリではクールぺ、マネらのレアリスムが台頭します。
   
 
           
 


 2.印象派とポスト印象派−光から造形へ
  Impressionism and Post-Impressionism

     
           

  産業革命は、絵画制作にも画期的な変化をもたらします。それまでアトリエでしか扱うことができなかった油絵の具をチューブにしたのです。ハンドリングが自由になった画材は、印象派と呼ばれる画家たちを戸外での制作に没頭させました。この中で光の微妙な移り変わりを捉えたのがピサロ、モネ、ルノアールらです。
一方、これに続き、画面構成や、内面的な表現を追及したのがゴッホ、セザンヌ、ルソーらポスト印象派の画家たちです。
   
 

ピエール=オーギュスト・ルノワール
大きな浴女
1905年 油彩/カンヴァス
97.1 x 73.0 cm
Philadelphia Museum of Art, Gift of Mr. and Mrs. Rodolphe Meyer de Schauensee, 1978

       
 
 
 
アンリ・ルソー
陽気な道化たち
1906年 油彩/カンヴァス
145.7 x 113.3 cm
Philadelphia Museum of Art,The Louise and Walter Arensberg Collection, 1950
 
フィンセント・ファン・ゴッホ
オーギュスティーヌ・ルーラン夫人と乳児マルセルの肖像
1888年、または1889年
油彩/カンヴァス
92.4 x 73.5 cm
Philadelphia Museum of Art, Bequest of Lisa Norris Elkins, 1950
   
 


 3.キュビスムとエコール・ド・パリ−20世紀美術の展開
   Cubism and the School of Paris

     
           
   
20世紀に入ると、彩度の高い色彩を効果的に使用したマティス、ドラン、ルオーらが現れます。いわゆる「フォーヴ(野獣)」です。続いてピカソ、ブラックらは遠近法を廃し、断片的な面の集積によるキュビスムを試みました。また、パリ郊外では、マルセル・デュシャン、ドローネ、レジェらがキュビスムを志向しながらも、色彩の復活を試みます。
ドイツでは、カンディンスキーら表現主義が登場します。カンディンスキーはクレーとともに、バウハウスの教育活動にも積極的にかかわります。
20世紀後半のパリには、世界各地から若いアーティストが集まります。ブランクーシ、モディリアーニ、ユトリロ、シャガールらはエコール・ド・パリ(パリ派)と呼ばれることになります。
   
  パウル・クレー
魚の魔術
1925年 油彩・水彩/板に貼ったカンヴァス
77.1 x 98.4 cm
Philadelphia Museum of Art,The Louise and Walter Arensberg Collection, 1950
       
           
 


 4.シュルレアリスムと夢−不可視の風景
  Surrealism and the Dream

     
           
  ・ルネ・マグリット 六大元素 1929年
・ジョルジョ・デ・キリコ 占い師の報酬 1913年
  1924年、シュルレアリスム運動のリーダーであったアンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム宣言」を発表したことで多くのアーティストを惹きつけ、芸術運動としてひとつの流れを生み出しました。物質中心文明への批判や無意識の解放を目的として、過剰なまでに現実を表現をすることで、独特の幻想的な作品を作り出しています。
   
 
       
           
 


 5.アメリカ美術−大衆と個のイメージ
  American Art

     
           
   
1913年、ニューヨークで近代美術国際展覧会(The International Exhibition of Modern Art)が開催されます。、印象派、ポスト印象派、フォーヴィスム、キュビスムなどフランスを中心とした作家の作品と当時のアメリカの作家の作品が展示されましたが、ヨーロッパの作品の質が高かったこともあり、社会的に大きな影響を与えたといわれています。
   
 
メアリー・カサット
アレグザンダー・J・カサットとその息子ロバート・ケルソ・カサットの肖像
1884年 油彩/カンヴァス
100.3 x 81.3 cm
Philadelphia Museum of Art,Purchased with the W. P. Wilstach Fund
and with funds contributed by Mrs. William Coxe Wright, 1959
       
   
     
ジョージア・オキーフ
ピンクの地の上の2本のカラ・リリー
1928年 油彩/カンヴァス
101.6 x 76.2 cm "Philadelphia Museum of Art,Bequest of Georgia O'Keeffe for the Alfred Stieglitz Collection, 1987
   
     
   
     
テキストはプレス資料を参照いたしました
   
 
主催:東京都美術館、読売新聞東京本社、日本テレビ放送網、WOWOW、美術館連絡協議会、フィラデルフィア美術館


お問い合わせ・詳細:
京都市美術館
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/exhibition/philadelphia
東京都美術館
http://www.tobikan.jp